天女座物語163
2003/9/4
以前、NHKのラジオ大阪に出演した際全国放送だったので大きな
反響を頂きました。
その中で群馬県に在住の西川流の西川扇二郎さんからお電話があり
11月4日に東京国立劇場で踊りの会をするので音楽を担当して
欲しいという依頼をお受けしました。
何回か東京でお会いして9月2日には、国立劇場の稽古場で 実際の踊りも見せて頂きました。
扇二郎さんは、高校生の時に西川流の宗家の西川扇蔵さんの
内弟子となり、13年間勤め今では西川扇生さんの養子さんとなって 舞台で活躍されています。
出し物は、『孤舟』で、脚本は三隅治雄さん 創作で杜甫の世界を描くというものです。 『国破れて山河あり…』という唄は、人間国宝の 宮田哲男先生が担当され、私が音楽を担当します。
出世に必死だった杜甫が、国が戦争になって 一切を失い、孤独になり、やがて天地の恵みに気づかされて 自然の中で独りで生きていく決意をし、国を建てなおす勇気を 得ていくというもので、心情を踊りで表現していく 大変難しい出し物です。
演出家の加藤さんと、扇二郎さんにご一緒に夜行バスで熊野に 入って頂き、天女座のスタジオで制作を開始。 「すごい景色だね!綺麗!」と感嘆してくれる2人。
狭いスタジオで、扇二郎さんが、舞い、それを見ながら 即興でどんどん作っていきました。
昼から始めて、夜7時ごろ、音楽が完成。 お2人には、うつぼのフルコースを食べて頂き、 大変喜んでもらいました。
仕上がった音楽に宮田先生の声を重ねて編集し 天女座のホールで舞って頂きました。
加藤さんは、「そこの振りは、もっと雄大な自然を感じる ような振りにした方がいいのでは?」と細かい指示を出して いきます。
翌日、2人に楯ヶ崎遊覧を体験してもらいました。 ハマケンさんの舟に乗った2人は興奮気味で 帰って来て「すごい景色で、圧倒されました。
踊りで、舟を漕ぐシーンが多いので熊野の海の景色を見て、
イメージが広がりました」と大喜び。
最後に、花の窟神社を見ていただいて、一路東京へ。
平成十五年度文化庁の芸術祭参加作品扇二郎の会 11月4日(火) 国立劇場 03−3265−7411 入場料¥6000
よろしかったらぜひ、ご覧になってね。
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