天女座物語178
2003/11/29
いよいよ岡村先生のコンサート前日となりました。
3時57分に熊野市駅に到着された先生をお迎えに。
天女座に来て頂き、すぐリハーサル。
今回はイタリアの歌やドイツ、フランス、 ロシアの歌、などなど盛りだくさん。
最初は「波浮の港」
「ボルガの舟歌」では、 小さな小さな音から入って行く。
荷を担いだ人たちの掛け声が遠くから来て
近づいて来てまた、去っていくという歌。
「エレジー」という歌では、”もっと歌って!”と 指示が飛ぶ。
「セレナーデ」では、”小さな音で感情を込めて” とかいろいろな指示が出る。
ピアノの配置にも、照明にもこだわり 花の位置でさえ、あれこれと演出。
さすが、一流はこだわりがあるなーと感心。
リハが終わったら「さあ!スパゲッティーをゆでなくては!」と
先生はいそいそと厨房へ。(笑)
カルボナーラスパゲッティーのために削るチーズのパルメザンチーズと、
こだわりのベーコンを先生自身、 東京で探して送ってくれました
本当においしい、ベーコンとチーズでした。
根本さん、トンちゃん、私、先生の4人で 「いっただきまーす!」
パルメザンチーズの香りがすごい!
「おいしいです!」
「あれ?あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、生クリーム入れるのを
忘れた!!!!!!!!!」とセンセ。
「まあ、でも、このベーコンとパルメザンでおいしいですう!」
先生と食事をしていると、海外の話題、料理の話題など
楽しいひと時でした。
それにしても、かの岡村大先生にスパゲッティーを
作ってもらうなど、恐れ多いのですが・・・。
食べ終わって、民宿にお送りしました。
「明日は、11時ごろ電話しますのでね!」と先生。
いよいよ本番の日が来ました。
しかし、大雨で警報も出ていて心配なのは 道。
朝から「今日、岡村先生のコンサートやりますか?」 と電話が殺到!
「絶対何が何でもやりますので・・・。」
尾鷲〜海山間は通行止めに。
11時ごろ先生が天女座に。
薬膳カレーと、じねんじょううどんを召し上がって 軽いリハーサル。
照明をもう一度吟味して、根本さんと トンちゃんが走り回って
いろいろ調整してくれる。
ステージの上に、スタインウエイと、ピアネットを飾りに置くことで 決定!
7時からの本番。しかし、雨のために客足は伸びない。
うーん!赤字かあ!!!!ドタキャンが 相次ぐ。
うーん!ま、こんなこともあるわねえ!と 覚悟を決める。
7時10分。本番スタート。
「波浮の港」から始まり、小さな小さなピアニッシモで ピアノ伴奏。
観客も息をのんで聴き入っている。
トークでは、「雨でお客さんが少ないですねえ。」「昔、スイスの独仏圏に跨る
小さな町。主催者が1日間違えて客は独仏両紙の批評家夫妻だけ。
ギャラは払うからお帰りを、というのをたった4名相手に2時間歌いました。
向こうも一生懸命聴かざるを得ない。不思議な連帯感が生まれちぎれん
ばかりの拍手。」
「休憩の時、その4人から”頼むから最後まで 歌い続けて欲しい”と
伝言が来て、アンコールまで 歌って丸2時間歌い続けたんです。
そうしたら、楽屋に4人が来て大変喜んで 大きな記事を書いてくれました。
だから、お客さんが1人でもやっぱりきちんと 演奏しなくてはいけないんです。」
なるほど! お話に引き込まれていく観客。
1部最後の曲「オーソレミヨ!」では ブラボーの声がかかる。
15分の休憩後、2部では
「マルキヤーレ」というテンポの速い ナポリ民謡から始まり、静かな静かな
「はるかに」 そして、アルゼンチンタンゴの 「カミニート」
間奏の部分は即興したいと申し出て 即興。
拍手を頂いたのですが 次の曲に入ろうと弾き始めると
先生が「拍手を取りなさい!」と ピアノを叩いて止めさせたので
意味がわからず?????
要するに、客が即興を喜んでいるので 立って拍手に応えなさい
という ことでした。
「先生、意味わかりませーん!」
「この人はね、さっきまで ウエイトレスをしていてね、 すごいよねえ!」と
持ち上げて下さり恐縮!
「ロンドンデリーの歌」、「スワニー」などの後
「オールドブラックジョー」で静かに静かに・・・。
そして、最後は「かごかき」
「よいとこどっこい!」の先生の声に 続けて私も「よいとこどっこい!」
と掛け声。うーん。掛け声をしながら 弾いていると難しいワン。(笑)
アンコールは、「ブラームスの子守唄」 「秋」
そして、私の「古道を渡る風」を弾きはじめると 「これこれ!待ちなさい!(笑)
これは、紫帆りんさんが作った歌です。
いい歌ですねえ。もうCDになっているそうですね。」
「古道を渡る風」をちょっと速いテンポで。
大喝采のステージは終わりました。
はあー!集中力がいる舞台でしたので 打ち上げもウエイトレスで走るのは
パスしました。(笑)
観客から電話があり
「すばらしかったです!でも、お客が少ないからと
来年やらないんではないでしょうね?」
「もちろん!やりますよ!」とお返事しました。
交流会では、食事をしながら皆で楽しいひと時でした。
感想で「世界を旅している気がした」
「自分の魂の奥に歌いかけられたようだった」
「人間の声ってすごい!」
「先生は私が大学のグリークラブの頃、神様的な
存在でした。こうやってお会い出来て嬉しいです。」
など皆、感動を伝えてくれました。
「来年はまた、世界の歌でやろうか!」とセンセ。
「はい!こうなったらとことん お願いします!」
先生が「長崎で紫帆さんの作曲した日蓮上人の 歌を歌ったのがきっかけ
でした。練習の時 一緒に食事をしたりして、この夫婦と 話して行けばいくほど、
面白いんですよ! 天女座が地域の核になると確信していますよ!」
と先生が嬉しい感想を述べて下さいました。
「ところで、明日の電車は走るんだろうねえ?」
「大丈夫と思いますよ!」と私。
先生、来年もよろしくお願いしまーす!
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