6月6日
新宮でうつぼ料理の店をされていて、熊野の景色
をずっとビデオ撮影されている矢濱さんから
「紫帆さん、百夜月に行かない?」とお電話。
以前、桃源郷のような矢濱さん撮影の美しい百夜
月のビデオを頂いたので行きたいと思っていました。
紀和町の熊野川の対岸に船でしか行けないとこ
ろに東さん一家は、ずっと50年以上住んでおられます。
朝から雨の中、86歳のおじいちゃんが、美しい杉
の木の川舟を漕いで迎えに来てくださいました。
「雨が強くてのう。でも少し見ていきますか?」と
おじいちゃん。
ゆったりと川を渡りながら、岩のところの様様な花
を見せてくれました。
さつきや、紫陽花、奇岩の川岸。
川面には、浮かんでは消える雨粒がきらきらと
ミルクの王冠・・・。
向こう岸に着いて砂利道を歩いて東さんの家に。
目の前にぱっと広がって来る一面色とりどりの菖蒲。
「わあーっ!絵の中にいるみたい!」
と、思わず声が・・・・・。
紫や白や黄色の絵の具でお花畑を書いたような
夢世界。
昔の人が岩で組んだ階段を登り少し高台に出る。
「ここにね。昔、住んでいたんだけど、伊勢湾台風
で家が流され、鶏
も全部流されてのう。」
東さんがここに住み始めたのは、30代の頃。
その頃、この辺には3軒くらい家があったそうです。
船で一つ一つ、材を渡して家を作る。気の遠くな
るような作業です。
やがて、茶室に案内されました。
急いで作ってきたメハリ寿しを食べながら矢濱さ
んと話す。
「ここには、100回くらい来たよ。ストレスが溜まる
とここに来てゆっくりするのよ。ここもいろんなお客
さんが来てね。今度の10日なんか100人くらい
来るの。」
「へえーっ。ここって本当に夢の世界ですね。」
昼食を食べ終えて菖蒲の花摘みに。
菖蒲は、1本で3回咲くという。だから古くなった花
を摘んでやらないといけないそうです。
油絵の世界の中で古い花をもぎって袋に入れる。
広いので1時間くらいかかるけど、楽しい作業。
おじいちゃんは、何十種類もある菖蒲をひとつひ
とつ、切ってお土産をこしらえてくれている。
「わっ!!!」とからす蛇に驚く矢濱さん。
「これは、『稚児化粧』『舞扇』『雪千鳥』
菖蒲にもいろいろな美しい名前があるのです。
白で先だけが、ほんのりと淡い紫の花。これは、
『爪紅』
他にも『落花の宴』『夏姿』などなど・・・。
「これだけで曲が出来そうやなあ・・。
おじいちゃんとおばあちゃんと、娘さんの3人暮らし。
この平和を得るまでにいろいろなご苦労があった
そうですが、
「うーん。我々の将来の姿。理想やなあ・・。」と、
トンちゃん。
お花摘みの後は、何と!蘭茶を頂きました。湯呑
にひろがる小さな
蘭の花。
おじいちゃんは、蘭もたくさん育てています。とて
も86には見えません。
おばあちゃんも優しい笑顔。いっしょに写真を撮り
ました。
「おじいちゃんは、どうして百夜月に住んだんですか?」
帰りの船の中で聞きました。
「人がたくさん居るところじゃなしに、誰にも指図さ
れずに自分で好きなような世界を作りたかったんでのう。」
百夜月。今は、東さん一家だけ。
訪れる人を夢心地にさせる、ご夫妻の暖かさ。
「いやあ・・・。本当に美しい生き方だねえ・・・。」
「又、ハスの花が咲いたら来ます!」
川舟を漕ぐ東さんに手を振りました。
「熊野のフィンドホーンやなあ・・・・。」と二人で納得。
百夜月の余韻が、サザナミのように広がってい
き、今夜は、満月。
紫帆りん
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矢吹紫帆
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