幻のピアネット２台の演奏！！


ピアノ工房の小野さん
リハーサルの後
本番開始
笑顔の関係者
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天女座物語218　　2004/12/11　　　11/25朝日新聞記事
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 12/12下野新聞記事
2000年秋頃、天女座の立ち上げの際、蔵の扉を探していて京都の骨董品屋
さんで巡り逢った１９２３年のヤマハ（当時の日本楽器）の子供用グランドピアノ。
ピアネットと書かれたその小さなピアノの資料は戦争で焼けてしまい、
ヤマハにも壊れた１台があるだけです。
2004年2月そのピアネットのＴＶ番組が放映されたと聞いて探してみると
栃木県の小口昭子さんというおばあちゃんがもう１台持っておられ、
最近１年がかりで修復したというのです。
おばあちゃんのお父さんが亡くなった時、妹たちが悲しむのを見て
お兄さんが４か月分の給料をはたいて購入したそうです。
以来、ピアネットは戦争中の希望のない日々の中で小口さんたちを
励まして来ました。戦争で何もかも焼けて、小口さんの唯一の花嫁道具だった
　ピアネット。感動的な番組でした。
早速、小口さんにお手紙を出し、２台の幻のピアノを出会わせるコンサート
をやりに行きますと。
小口さんは「近くに公民館があるからそこに来て下さい。」とお手紙をくれました。
今年の１０月１６日にコンサートを予定していたのですが
小口さんの体調が悪く、入院されたとのことでコンサートは延期になりました。

１０月１１日に三重県二見ヶ浦の賓日館での演奏後、感動して一緒に
写真を撮って欲しいと ２人のご婦人が来られました。
「どこからいらしたのですか？」と聞くと 「栃木からです。」
何でも天女座のＨＰをいつもご覧になっていて 賓日館での演奏を知り、
伊勢にセミナーがあって来ていたのでこちらまで足を伸ばして下さったそうです。
私がピアネットの話をしましたら鈴木美江さんと神山久子さんは目を輝かせて
「私たちが紫帆さんのコンサートを立ち上げます！そして、小口さんにもいらして
頂きましょう！」と快諾を得、本当に嬉しく感動のひと時でした。

鈴木さんと神山さんは、帰るやいなや早速小口さんにコンタクトして下さり、
１２月１１日鹿沼市での演奏が決まりました。
小口さんもピアネットで「エリーゼの為に」を弾きますとのことで
一緒に演奏をと盛り上がりました。

実は鈴木さんの経営されている（株）スズキプレシオンという精密機器の
会社の研修会にコンサートを入れて下さったのです。
私たちは、９日に鳥羽シーサイドホテルの奥野さんをお訪ねし宿泊させて頂き
楽しいひと時後、１０日に三重ＴＶの脇さんという女性ディレクターと共に
栃木に入りました。

その夜、鈴木さんのご主人の鈴木庸介（つねよし）社長、妹のケイ子さん、
とご主人の青木俊夫さん、弟のお嫁さんの鈴木敬子さん。
神山久子さん、鈴木さんの奥さん美江（みつえ）、岡山から駆けつけた喜峰さん、
愛知から根本さん夫妻 の皆さんと食事をしながら盛り上がりました。

１１日昼に私たちのピアネットとシンセサイザーを会場のウェルサンピア栃木に
搬入をし、いよいよ小口さんの ピアネット修復を担当された小野ピアノ工房の
小野さんが到着。
小口さんのピアネットは傷みが激しかったので小野さんが塗装し直し、
鍵盤や部品も手作りで直したそうで綺麗でした。

３時前に小口さんが到着。「紫帆さん、逢いたかったわ！」と抱き合って
初めての対面を喜び合いました。
小口さんはその日も体調が悪かったにも関わらず、一緒に「エリーゼの為に」
を弾きました。
１９２３年に工場を出荷した２台のピアネットはそれぞれ違う人生を歩んで
栃木と 京都にたどり着き、そして今日、鹿沼で再会をしたのです。
それは、果てない旅でした。
戦争中「悲運のピアノ」と呼ばれたピアネット。
その殆どが空襲に会い、焼けてしまいました。
しかし、奇跡的に残ったピアネット２台が、このステージで小口さんと
私の演奏で蘇ったのです。

ピアネットの演奏後、シンセサイザーの演奏で即興「婚約する社員さんのために」
「ふたりの孫」「元気になる曲を」
スズキプレシオンの会社のスライド、鹿沼の彫刻屋台という素晴らしい祭りの
屋台のスライド即興

喜峰さんの「ありがとうＤＥございめーす！」トンちゃんのボイス、フルート、
ゆる体操、獅子舞などなど盛りだくさんのステージでしたが皆さんに喜んで
頂けました。

終わって小口さんは「１月に体調がよかったら熊野に行ってみたいわあ！」
「絶対来てくださいね！」と再会を約束しました。

私のピアネットは小野さんに預け、６ヶ月の修理に入りました。

喜峰さんが生まれていなかった時代のピアネット。
本当に歴史的なコンサートとなりました。
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