宝井馬琴、天女座特別講談 |
天女座物語230 2005/5/10 修養団伊勢道場長、中山先生のご縁で講談の宝井馬琴さんの会を行いました。 このたび、ご一緒にCDを作らせて頂くことになり、録音に見えたのです。 「是非地元の方に講談をお聞かせ下さい。」とお願いし、実現しました。 お昼に馬琴さんが到着し、「海が綺麗だねえ!南仏のニースみたいだねえ!」と感動 して下さいました。 ホールで早速打ち合わせしました。 「いいホールだねえ!うーん。この松がいいなあ!」と馬琴師匠。 カフェは5時から開けていたので津からご夫妻が二人来られ、ウエイトレスの私は 「タイカレーと玄米コーヒーですね?」 と応対して、5時半から楽屋に入り着替えました。 馬琴師匠がシンセサイザーをご覧になり「今度、一緒にやれたらいいね!」 「是非、今日、即興でやらせて下さい。」と無謀なお願い。 大体、講談を聞くのも初めてなのに一緒に演奏で絡むなど恐れ多いことですが そこは、怖いもの知らずの紫帆りんです。 まず、私たちが演奏。 「即興で演奏しますが、タイカレーを食べて下さったご夫妻は何か言って 頂けませんか?」 「カトレア」と御題頂戴し演奏。 根本さんが「御感想を」と聞いて奥さんが「感動しました。」と言ってくれたので 「さっきカフェでお会いしていますね。」と私が言いましたが 「??」と怪訝な顔。 根本さん「あの、ウエイトレスと同一人物ですよ。」 「え???」ととまどいの奥さん。(笑)「姉じゃないですからね。」と私。〔笑〕 講談が始まり、私は着物を着替えて待機。 話のどこに演奏したらいいのかわからないままでした。 馬琴さんの語りは、ぽんぽんとテンポがよく笑わせながら惹き付けていきます。 講談って固いイメージがありましたが落語に似ていて、面白いのです 爆笑の世間話の次はいよいよ 織田信長の家来、山内一豊と妻千代の話です。 山内一豊は大変貧乏な侍だったが、ある日素晴らしい馬を見たので それを買いたかったが金3枚という値段を聞いてとても買えないと肩を落として家に 帰りためいきばかり(パンパン!!) 妻、千代がそれを聞いて金5枚を差し出しました。 「これは嫁入りの時に母が鏡の後ろに貼り付けて持たせてくれた金ですが あなたがそんなに惚れた馬なら、どうぞお使いください。」と。 その妻の言葉に感動し、その駿馬を手に入れるという話。 要するに、男には素晴らしい妻の存在が必要という人情話です。 出陣前の馬揃えの場面が近づき・・・・・。「演奏スタンバイ!」の合図。 シンセサイザーの前に立ちました。 山内一豊のひいていた駿馬は、いやでも信長の目をひく。 そんな立派な馬をどこで手に入れたと問う主君に、一豊は正直に妻に買って もらったことを告げた。 馬が駆けるシーンで馬琴師匠がチラっと私を見たので「ここかな!」と 演奏を始めました。 馬琴師匠の扇子のリズムに合わせて太鼓で馬のヒズメを表現。 妻のお蔭で馬が買えたという話を信長が聞いてはらはらと涙を流すシーンでは 静かに演奏。 どこで演奏を終わるかも知れず、話に合わせてのぶっつけでしたが 終わって馬琴師匠が「いやー!打ち合わせしなかったけどうまくいったねえ!」と にやっと満面の笑み。 地元の方々も講談の魅力を感じてくれたようです。 出版社の講談社の由来も講談本がバカ売れして大儲けしたので社長が 講談にちなんでつけたものだそうです。へえー! 終わって打ち上げでも馬琴師匠は面白い話をたくさん聞かせてくれました。 中山先生の奥様、みどりちゃん、三男の大樹君も一緒でした。 26歳の大樹君は、何と!熊野に住むことを決意! 「面白かったな!またやろうや!」とウインクの馬琴師匠。 また是非ジョイントをしたいです。 CDは非買品で残念なのですが、馬琴師匠の語りにシンセサイザーを即興で 入れることになっております。 やっぱり一流はすごい!の夜でした。 |