とんちゃんの滝行と御燈祭り初体験

天女座物語308 2008/2/4-6  熊野川町小口と新宮市神倉神社にて
  
              写真集 滝行  御燈祭り 下線部をクリック
紫帆「立春、雪の日の滝行どやった? 
と ん 「寒いなんてもんじゃないね。滝壺の水、裸足が石に当り冷たさでちょー痛かったぜ。
根性キメて岩に背をつけ、落ちてくる水を頭で受け、修験者、立石光正師、クジを切り、指先から
邪気を抜いてもらった時、「俺、
今何してんだろうって思ったもんね」  
紫帆 「でも気合の入った声出してかっこよかったよ」  
と ん 「お、そう?」  
紫帆 「私もやりたかったけど、男ばっかりだし、裸になるのはちょっとねー」 
と ん 「ま、バンジージャンプのほうが気合入ったけどな、うん」 
紫帆 「なにい?やる前はあんなにびびっていたくせに」 
と ん 「・・・・滝行、フランス人やアメリカ人入れて13、4人位参加で、滝壺の周りを3回般若心経
    唱えながら巡るんだけど、待っている時、足が冷たさで感覚ない。
    ちゃっかりもんは小石の上立ってたりしてたな(笑)」  
紫帆 「みんな終わった後の笑顔、輝いていたよね」  
と ん 「邪気の取れた感じだったな、外人達とも同志っていう感じ」
紫帆 「帰ってきて山学林でタケちゃんが作ってくれた白い物だけの鍋、あったまったねー」 
と ん 「御神酒もおいしゅうござひました」
紫帆 「御燈祭りの感想は?」 
と ん 「すげえよ!!ありゃすげえ!」
紫帆 「ハイライトは?」  
と ん 「点火して火の海に身を委ねた時、と言いたい所だが、やっぱ喧嘩だね」  
紫帆 「それ前から良く聞くよね。去年は一人死んだって」
と ん 「少し早い持間にアフリカ太鼓奏者の森タケちゃん達と阿須賀神社速玉大社そして
    小さなお宮で祈願。神倉神社の坂を登り、鳥居の上を陣取ったんだけどね。
    いでたちは白装束に荒縄を腰に5重に締め、白頭巾、手っ甲、わらじ、それから奉納の
    心願成就などの四文字を書いたタイマツ。俺は家内安全の隣に極楽音楽と書いたよ(笑)
    それの頭に火種となる長いけずりぶし状のヒノキがいい香りだったな。
    街を歩いている時、タイマツ同士が挨拶するのね。
    たのむでーたのむでーと言いながらタイマツを叩き合う。けずりぶしが摩擦でとれ、あちこちの道端
    にそれらが落っこちている。落っこちたまま。誰もかたずけない。

    祭り風景だなあ、あれは。
あたりがとっぷり暮れる頃には境内に2000人以上の白装束の 
    男衆がどよめきあふれ、段々興奮してくるんだ」 
紫帆 「あの白頭巾は火よけだけど、死者の三角頭巾みたい。アメリカのKKKみたいにも見えるね」 
と ん 「それでね、ごったがえしている鳥居の下で酔っ払いが怒鳴っていたり、しばらくするとメンチ
    切ったとか言いながら、わけーのが罵声を相手グループに浴びせかけ、いきなり乱闘騒ぎ。
    中にはタイマツ、これヒノキの板でソフトクリームのコーンを長くした形だけど、結構硬い。
    そいつで相手の頭をバコーン!!倒れたやつに何度も蹴り入れたり、みんな唖然騒然!
    暗いので報道班のライトがたより。 
    この乱闘収まっては始まりの連続で30分以上やってたかな。びっくりしたよ。 
    俺達の上に陣取ってたホホキズ系のおっさんがヤジとばすんだ、これが」  
    ”おらあ もっとやれえ!根性見せろ おまえら 気合はいっとらんぞおー!
    もう終わりか? アホ ボケーこらあー!” もう大騒ぎ(笑) 
    今年で6回目のタケちゃんに聞いたら、今年はまだおとなしいって。
    この場所最高でしょ だって!  
紫帆 「へー 火がついた時はどんな感じ?」 
と ん 「どよめきが聞こえたので、ごとびき岩の方を見ると、漆黒の闇に紅蓮の火の粉が上がって、
    あん時はわくわくしたなあ、なんせ真っ暗だったからね。 
    それで大タイマツに火が移され一度鳥居をくぐり、坂下のお宮に納め、再入場。
    その後かな、めいめいのけずりぶしを何箇所に集め点火。
    それぞれのタイマツに火をつける時が凄かった。火は美しいよ。熱いけど本当美しい(ウットリ)」
紫帆  「それ生で見たかったなあ」 
と ん 「俺は夢中でシャッター押してたから出遅れて、なかなか火が点かなくってね。
    すると知らない祭り衆達が火を分けに寄ってきてくれるんだよ。うれしかった。。。(涙)  
    もうあちこちでわっしょい!わっしょい!の掛け声が響き渡り、
    火の海は最高潮。みんなの顔が紅潮して輝いている。 いい笑顔だ。。。
    あっ そうそう、腎臓の付近にホカロン貼ってたんだけど、なんか妙に熱い。
    それ火の粉だったあ!えれーあちかったー。白装束しっかり大きな穴開きました(笑)
    その後少しみんな落ち着き始めた頃、思い出したかのように、鳥居の下でまた乱闘が
    始まったんだ。
今度はタイマツ火が点いているからね。 
    それで相手の顔にぐしゃー!ばきっ!どすっ!とにぶい音が響き渡る。
    弩声やヤジ、やめろやめろ!とがなるおっさん。もうわやくちゃやで。
    一人倒れこみピクリとも動かない血まみれの若衆。 コリャ死ぬわな。
    滝行した連れの外人達は無言で凝視。 
    フツウ オトナシイニッポンジン
ナゼ コンナコトスルノデスカ???とでも思っていたかな」。
紫帆 「後で聞いてみたいよね。」
と ん 「祭りという非日常時を狙った、血気盛んな若衆の暴力行為か。祭りに喧嘩はつきものとは
    よく言うけど、実際体験するとマジ恐ろしいもんだねえ。
    これも神代の時代から続いてきたものかもしれないね。
    ひょっとしたら生贄の別バージョンか?これ」
紫帆 「この若衆達、タイマツにはなんて願掛け書いたのかなあ?
と ん 「家内安全とか世界平和じゃないよな。絶対」。 
紫帆 「先手必勝とか必殺祈願とか?(笑)」 
と ん 「夜露死苦とかね(爆)」
紫帆 「神様脅してどないするんじゃ(笑)」
と ん 「鳥居の外の酔っ払いを中に入れるのに一苦労した後、一度門が閉められ合図とともに
    スタート!獣のような若衆達が奇声を上げ、狼のようなスピードで駆け降りる。
    神倉神社の石段の傾斜角は恐ろしいほど急だよな。 想像しただけでもああコワッ!。 
    何でも高校のラグビー部があそこで練習してるって」 
紫帆 「だったら暗闇でも石段の間隔知ってるはずよね」
と ん 「まあ、とん爺はそろりそろりと降りました。
    さあゴール下には女の花道が待っているんだよな。これが」 
紫帆 「そうそう、血だらけの若衆見たさにね。連れに肩もたれ、びっこひいてるおにいさん、
    意外にうれしそうだったりして(笑)
ちなみに一番初めにゴールしたのは3位の人らしいよ。
    1番と2番目がゴール近辺で殴りあいをはじめ、その脇をするりと(笑)
と ん 「いやいや男の祭り 御燈祭りと滝行、普段は意識してない男性性を味わった一日
    だったなあ。 おらあ今日一日で男になったぜい!!おらあ!!」
紫帆「もうわかったから早く晩御飯作ってよ!」
と ん「は、はい。。」
紫帆「私も登りたかったなあ!男性か女性かを区別するなら男性ホルモンの量で決めて
   くれたらいいのになあ!」爆笑!
立石光正ちゃま、森たけちゃんお世話になり有難うございました。
以上、同性夫婦の会話でした。
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